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2021.05発行
2021.05発行 間宮みきニュース第79号
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市民の苦しみに寄り添った予算編成を求めました
施政方針で市長は、厳しい時代だからこそ「希望」が大切であるとし、2021年の1文字を「希(のぞみ)」と述べました。しかし、わが会派は今年度の当初予算に市長が示そうとしている「希」を感じ取ることが出来ませんでした。例えば、配偶者暴力(DV)被害に対する支援事業費を「女性の悩みごと相談」の枠を増やす費用にまわし、総額を減額したことです。相談事業は重要ですが、DVの未然防止には今回削減された啓発や支援者の育成事業も欠かせません。また、市長は市民が運営する「子ども食堂」への補助金も打ち切りました。新型コロナウイルス感染症の拡大は、子育て世代の家計を直撃しています。ひとり親世帯だけではなく、多子世帯や、外国に繋がる家庭でも困窮する子どもたちが増えています。東久留米市の後ろ向きの対応に憤りを感じます。市長は弱い立場の市民の状況にもっと目を向けるべきです。
私たち市民自治フォーラム(間宮・青木議員)は上記の減額を行わないこと等を求める組み替え動議(共産党市議団提出)に賛成しましたが、残念ながら賛成少数で否決されてしまいました。なお、自民、公明、未来政策フォーラム、中野議員、引間議員は当初予算に賛成でした。
困窮する子どもの食の確保に市民力はいらない?
東久留米市は、これまで東京都の「子供食堂推進事業に係る補助金」を活用し、地域の子ども食堂に補助金を出していましたが、都の補助率が引下げられ、市の負担が0から2分の1に増加するため、2021年度打ち切りを決めました。
一方で東京都はコロナ禍の中、子ども食堂の開催に加えて配食等を実施している団体に新たな補助金を創設しました。しかし、その補助は東久留米市が今回打ち切った補助金を受けていることを条件としているため、市内の全ての子ども食堂は東京都の新たな補助金を申請することが出来なくなってしまいました。
東久留米市はことあるごとに「民間活力の導入」を主張しますが、この民間には市民は含まれないのでしょうか?そして市長の提唱する「地域の絆」「つながり」とはいったい何なのでしょうか?疑問でなりません。市民力に頼らずに困窮する子どもたちの食の確保を市が行うというのであれば、早急に具体的な支援策を示すべきと議会で指摘しました。
【東京都の補助金】
2021年度は感染症対策として5千円を上乗せ
補助率 都1/2 ・ 市1/2
補助率 都10/10(2021年から3年間
間宮みきの3月議会の一般質問などから
市民から信頼を得られるよう、適正な情報公開を求める
マイナンバーカードを健康保険証として利用するための東久留米市のシステム改修に携わったシステム事業者が、市職員のアカウントを無断使用するという不正行為を行っていたことが昨年末に発覚しました。再発防止の徹底と共に、主権者である市民のみなさんに適正に情報を公開するよう求めました。
2020年6月 | 市情報管理課が時間外利用者についてチェックを開始 |
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11月29日(日) | 事業者のSEが市職員のアカウントを無断使用してシステムを検証 |
12月24日 | 市情報管理課が出勤していない職員のログイン履歴を発見 事業者に調査依頼をし、無断使用が発覚
※アクセスログ、作業ドキュメント等により個人情報へのアクセスは無かったとの報告
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2021年1月19日 | 事業者より詳細報告 その際に2018年にも同じSEが2回無断使用をしていたことが報告された |
1月22日 | 市は、行政法律相談を行い、助言を受ける |
間宮:東久留米市の報告では、不法行為ではあるものの、個人情報の漏えいなど市に損害を与えるような重大な結果が発生していないことから、契約解除や損害賠償請求は難しいとの見解であった。そこで確認であるが、現在の契約には、今回の不正行為に対しペナルティーを科すことを可能とする条項は入っているのか。
総務部長:システムのバージョンアップに際して市の職員と同じ条件で動作の検証をしないと適切な確認が行えないと考えたシステム事業者のSEが、無断で職員のアカウントを使用したことが2020年末に発覚した。ただし、個人情報へのアクセスはなかったとの同事業者の報告であった。東久留米市はこの報告を受け、国の個人情報保護委員会に問い合わせをしたが、同事業者の内部管理の不備はあるものの、インシデント(報告義務が発生する事態)には該当しないとの見解であった。
事業者との委託契約書では、第23条「情報システムに関する遵守事項等」の条項に抵触するが、行政法律相談では、「(不正アクセス禁止法及び個人情報保護法に抵触する)違法な行為ではあるものの、契約解除までの責任は問えない。パスワードの無断使用ができてしまうことが問題である」との意見をもらった。
これを受け、パスワード管理ファイルへのアクセスについて、市の承認を得た上でアクセスできるシステムに改修するよう事業者に求めた。今後、こうした事態が繰り返されないよう厳しく対応に当たっていく。
間宮:市のセキュリティ体制が機能して、今回の不正行為が発覚したことは評価するが、過去において同一SEが市職員のアカウントの無断使用していたことは、見抜くことが出来ていなかったとのことである。非常に心配である。今回の再発防止策で今後は不正アクセスを防止できると言い切れるのか。
情報管理課長:今後、毎月、アクセスしたログを本人が使用したか確認するので、防止できると考えている。
間宮:情報化が進められる中では、個人情報がどう守られるかが重要である。こういった事件が起きたときには市民に事実を報告すべきである。市長も市民参加・情報提供の指針に基づいて、市民と行政の信頼関係を深め、共にまちづくりを推進していくとしている。市長の見解を求める。
市長:市民の皆様との信頼関係は大切である。今回の件に関しては、個人情報保護委員会等からも意見をいただき、インシデントに該当しないとのことであった。市に直接的な被害がないということであるが、改めて、担当が行政法律相談を継続している。そういった部分を先ず確認をしていきながら最終的な判断をしていく。
間宮:自治体には説明責任を果たすことが求められている。今回は無かったとのことだが、個人情報にアクセスすることは可能であったし、漏えいもあり得たということである。それをどう改善したか等、市民と情報共有を図っていくべきである。それこそが市民と共にすすめるまちづくりであると指摘する。
学童保育所の次期委託計画に異議あり
2019年に交わした委託仕様書には、東久留米市が学童保育所職員の資質の向上のために研修を実施し、事業者には参加する機会を確保するよう求めるとありましたが、コロナ禍の中、市は研修を実施することが出来ませんでした。こういう状況の中で、2022年4月から前沢学童(一小)、柳窪学童(十小)、本村学童(本村小)の3学童を委託する次の委託計画を進めるべきではありません。特に柳窪学童は2020年4月に西部地域の学校規模適正化によって下里小学校の児童を受け入れたばかりです。配慮を欠いた計画の撤回を市に求めました。
間宮:仕様書によると、全職員共通の研修を発注者である東久留米市が実施するとなっているが、何回行ったのか。そこに委託先の職員も参加したのか伺う。
児童青少年課長:緊急事態宣言の発出などで、一堂に会して情報共有を行うことは難しいことから実施できていない。各学童における育成支援の状況を課でまとめて、それを各学童保育所に配布して、育成支援の状況を共有したいと考え、準備に入るところである。
間宮:仕様書にあるスキルアップのための合同の研修は実施できていない。またこれまでの質疑から直営の職員との事務連絡会も実施できていないことも確認している。こういう状況の中で、次の委託計画を進めていくべきではないと指摘する。さらに何故敢えて柳窪学童を対象としたのか。その理由を伺う。
児童青少年課長:前回2019年の選定では、環境の変化を考慮して対象から除いたが、一定の時間が経過したので対象とした。柳窪学童の状況については、日誌の確認や訪問により育成支援の状況を見ている。他の学童保育所と比べても、特に問題ない状況である。
間宮:西部地域の学校規模適正化は当初の計画より1年前倒しして行った経緯がある。大人の感覚では時間がたったと感じるかもしれない。しかし当事者の子どもの中には大丈夫な子もそうでない子もいて、配慮があってしかるべきである。市長の見解を伺う。
市長:今進めている計画は、運営の安定化と現在2施設でしか実施できていない延長育成の拡大を実現するものである。どのように民間の力を反映させていくかということを進めさせていただいている。柳窪学童に関しては、統合の背景を踏まえた上で、丁寧に移行手続き、また対応を図っていただければと思っている。
間宮:柳窪学童でなければならない理由も、3校同時に委託しなければならない理由も特に示していない。子どもたちへの配慮のない計画であると指摘をする。
新型コロナウイルス感染症対策関連の事業者への支援事業の実績を検証して次に繋げよ
市が新型コロナウイルス感染症に影響をうけている事業者への支援策として行った3つの事業がいずれも低い執行率でした。今後、より必要とされる支援策を行っていくためにもしっかり検証をするよう求めました。
事業名 | 執行率 | 執行件数 |
---|---|---|
地場産農産物利用 飲食店支援事業 |
4.3% | 17件 |
テイクアウト・ デリバリー・ キャッシュレス 推進事業 |
3.4% | テイクアウト・デリバリー 27件 キャッシュレス 7件 |
感染防止徹底事業者 応援事業 |
27.9% | 725件 |
間宮:担当がスピードの求められる中、複数の支援事業に取り組んだことは評価するが、低い執行率については検証して次の支援策につなげるべきである。そのためにも実績は議員に公表すべきであると考える。減額補正の提案時に実績の説明を事前にしなかった理由を問う。
産業政策課長:予算について不足することがないよう対象となり得る事業者を見積もった結果執行残がでた。事前説明については、これまでも担当は個別についての説明をしていなかった。
間宮:議会側からは市内の実態調査の必要性が提案されている。こういった実績が示されれば、当然に実態調査の必要性が高まるはずである。市長の見解を伺う。
市長:審議をしていただくものについての議会への情報提供は必要であると考える。
間宮:次につなげていくためにも情報提供をし、また実態把握もきちんとするよう指摘をする。
親族等への扶養照会は生活保護の要件ではありません
2021年1月27日参議院予算委員会において新型コロナウイルス感染症の影響で生活に困窮する人たちの支援について、「最終的には生活保護」と菅総理大臣は発言しました。また厚生労働省や田村厚生労働大臣も「生活保護は権利であり、必要な方はためらわずに申請して欲しい」と積極的に発信しています。
しかし多くの人が「健康で文化的な最低限度の生活」の維持が難しくなっても、生活保護の申請をためらっており、ためらう理由の大きな要因は「申請時に行われる扶養照会によって、家族に生活保護を申請したことを知られてしまうこと」であるといわれています。国会でもこの件について質疑があり、田村厚生労働大臣は「扶養照会は義務ではない」と明確に答弁をしました。
東久留米市としても「生活保護が権利であること」と「扶養照会が生活保護の必須要件ではないこと」を積極的に発信すべきと考え3月議会で見解を質しました。
福祉保健部長の答弁では「扶養照会については、金銭的な援助に限らず、被保護者に対する定期的な訪問、電話、手紙のやり取り、一時的な子どもの預かり等の精神的な支援も含む考え方や調査方法を説明し、ご理解をいただいたうえで実施している。加えて、生活保護の支給決定にあたっては、扶養照会を待つことなく実施しており、相談段階における扶養義務者の状況の確認において、扶養義務者と相談してからでないと申請を受け付けないなど、扶養が保護の要件であるかのごとく説明を行うといった対応は、これまでも行っていない」とのことでした。
また2020年度の扶養照会の実施状況を質したところ、「申請件数131件に対し、扶養照会後、一部金銭的な援助につながったケースが2件、定期的な訪問など精神的支援に繋がったケースが14件あった。
一方で扶養義務者が被保護者や施設入所者で明らかに扶養できない方が35名、DVなどのケースで扶養義務者に対し扶養を求めることにより、明らかに要保護者の自立を阻害することになると認められる方が18名、扶養義務者が70歳以上の高齢者などであった方が53名、1年以上交流が途絶えている方が61名で、計167名の方に対して扶養照会をしていない(扶養義務者が複数いる場合の対応を含む)」との答弁でした。
必要な人が申請しやすくするために、HPで扶養照会は義務ではないこと積極的に発信することを求めましたが、「今後、東京都の運用事例集の該当箇所の改定が予定されているので、動向を注視して、対応していきたい」との福祉総務課長の答弁でした。
緊急事態宣言などの影響で経済活動が停滞し、収入が大幅に減少したり、職を失って生活が成り立たなくなる人が急増しています。コロナ禍の中、生活保護を必要とする可能性はだれにでも起こり得る状況となっています。必要な人がためらうことなく申請できる環境づくりに今後とも取り組んでいきたいと思っています。
第2回定例議会日程(予定)
- 6月7日 上程・即決・付託・報告
- 9日〜11日・14日 一般質問
- 16日〜18日 常任委員会
- 21日 予算特別委員会
- 28日 本会議最終日
本会議に加え予算特別委員会も録画配信が行われるようになりました。
下記にて「予算特別委員会」と入力してご検索ください。
http://www.higashikurume-city.stream.jfit.co.jp/?tpl=phrase
なお、詳細は議会事務局(042-470-7789)へお問合せください。